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契約成立
私はこの不公平な世の中が嫌いだ。
「おいブス、今日も読書ですかぁ?」
「本は友達ってか?」
私の席の周を囲っている3人がきゃははは、と甲高い声を上げながら笑っている。
私はこいつらを許さない、絶対に。
「おいシカトしてんじゃねえよ」
前髪を鷲掴みにされ、グループのリーダーであろう藤崎みのりと目が合う。
「……ごめん、なさい」
「はあ、いっつもそれじゃん。つまんな」
教室で堂々と私のことをいじめる3人を止める人は誰もいない。
先生も多分気づいるのに、止めようとしない。
私はただ静かに過ごしたいだけなのに、理由もなく私をいじめる。
前になんでいじめるのか聞いたことがある。
"うーん、なんとなく?ぶすだから?"
特に理由もないといった様子で私を見下しながらケラケラ笑ってた。
正直みのりは背も高く、スラッとした体型に、整った顔、私が持ってないものを持ってる。
だからこそこの世の中は不公平なんだなって感じた。
。
「ただいま」
「美咲おかえり」
お母さんが料理を作りながら優しく微笑んだ。
お父さんと離婚してお母さんと二人で暮ししている。
女手1つで育ててくれたお母さんには心配をかけたくない、悲しませたくない。
みのりたちに痣ができるほどの暴力を振るわれたことはあるけど、わざと見えないところを殴る。
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