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「…ローゼさん。この一族の中で王女の候補でしたね。」
「あぁ、美しいピンクの髪も台無しだ。…ここ数件の斬殺事件は全て、王女候補の人だった。」
「となると…やはり今年の王女を決めるその祭典の前に。」
「…そう考えられる。…まぁ、あまり先入観を持つのは良くない。この顔面を剥ぎ取るのは…人間業とは思えない。」
「これまでもこの国では、王女を決める祭典の前には、数々の嫌がらせや、険悪なムードになるのはありましたが、ここまでの残虐な事件はありません。」
警察はローゼの殺害事件をこれまでの事件と比較する。
最初の事件は約3年前。絶対王女となると言われていたガーベラが殺害された事に始まる。
それから今回ので4件目。
全て『美しい』と呼ばれていた貴族の女性だ。
「15年に一度、選ばれた12貴族から国民と王から最も『美しい』とされた者が王女になるんだ。無理もない。『美しい』というのが見かけの美になってしまっている昨今が悲しい。」
「3回連続で選ばれた現、王女の辞退の宣言もありましたからね。」
「今、貴族達は何としてでも、自分たちの一族から王女を出したいんだろう。他人の美を恨み、妬み、何でもするのかもしれん。」
警察達は大きなため息をこぼした。
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