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ミモザはその文献に目を通す。
『…この呪術については術者が対象に対する大きな憧れが必要である。憧れる者の魂を媒介に術者が呪文を唱えることで、冥界より呪術生物を生み出す。
呪術生物は媒介にした魂の持ち主の憧れたその顔を剥ぎ取り永遠に術者の元へ残すだろう。……た…』
「た?」
文献の隅に破れた所に、よく見ると続きが。ミモザの疑問に執事は答える。
「この文献、裏に続きがございます。」
ミモザは裏面を目を通す。
「これって!?」
「人を呪う呪術。それ位の代償を伴って当然でしょう。」
「…これが本当なら…最近…ダリアの表情が少ないのも納得だわ!」
ミモザは強く、強く、文献を握りしめた。
「ミモザ様、ダリア様を!?」
「もちろん!私は誰よりも好きなのよ!」
「しかし、危険すぎます。」
「危険でも何でもいい!きっとダリアはまた他の王女候補に近づく!その時がダリアを取り戻すチャンスなの!」
「…かしこまりました。」
執事は渋々頭を下げた。
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