0時

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 俺は驚いて窓に貼りついた。煙の下に目を凝らすが、建物や位置を把握できるほどよくは見えない。 「私たちがあと半周する頃には、鎮火すると思うよ」  悠長な言葉に一瞬苛立ち、そして、ハッとした。  俺は実体ごとここにいる。さっき森嶋はそう言った。それはつまり、泥酔して部屋で寝ていた俺を、彼女が救い出してくれたということだろうか。 「俺を、助けてくれたのか……?」  信じられない思いでそう聞くと、森嶋はにっこり微笑んだ。 「私、笹口君が好きだったから」
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