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この学校には、双子の姉の夏雄里(カオリ)と双子の妹の彩雄里(サオリ)が居る。
ある日俺は女子便の前を通りかかった。ひとつの白くて空きっぱなしの水筒がある。こぼれると悪いし、俺は水筒の蓋を閉めてから体育館へと向かった。体育の時間、障害物競走をするための練習だ。足の障害がある知沙(チサ)もやりたいと言うので、できないものはやらなくていい代わりに、できるものはみんなより少し回数を増やしたりとか色々工夫して何とか平等にできた。
いつの間にか彩雄里はトイレから出て教室にいたが、水筒はそのままだった。
俺は水筒を手に取り、彩雄里の所へ向かった。
彩雄里「何?」
俺「何?じゃねーよ。水筒忘れてるぞ」
俺が水筒を突き出す。
彩雄里「は?何言ってんの?水筒なんて持ってきてないしそもそもあんたが水筒持ってないじゃん」
俺「は?」
俺が手元を見ると、何も持ってないのに彩雄里の方に握った手を突き出していた。
しかも、普通なら少しでも震えるはずの手が、1mmも動いてない。それどころか動けない。足も手も胴体も全部。
呼吸はできているがお腹も動いていない。
俺(´・_・`).。oO(早く動け……)
そう思っているうちに、知らない場所に俺はいた。
俺「どこだ、ここ……
……ッ!」
なにかがいた。
それはだんだんと近づいてくる。
よくいる感じの、長く黒い髪の毛が顔を見えなくし、白いワンピースを着た、貞子さんみたいだ。
そう思ううちに、貞子はいなくなっていた。
俺「よかった……」
俺はホッとして、出口らしきところに向かおうとした次の瞬間だった。
「どこ行くの?」
そこで俺の意識は途切れた。
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