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剣汰「あーあ、夏休みやだなあ」
剣汰(ケンタ)は、そう呟いた。
愛弓「どうして?」
愛弓(アユミ)が笑いながら言う。
剣汰「だって、だって姉ちゃん!夏休みは!宿題が!多すぎる!姉ちゃんも分からない?せっかくの休みなのに宿題宿題ってつまんない気持ち!」
愛弓「まあね(笑)
でもね剣汰、たくさん勉強しないといい大人になれないよ?」
剣汰「うぐ……」
愛弓「あの人のような大人にはなりたくないんでしょ?だったらちゃんと勉強しなきゃ(笑)」
その様子を影で見ている人がいた。
??「ふふっ、あの子は
ミマチガイ様に
取り憑かれるわね」
ミマチガイ様とは、夏休みに宿題をエアコンがない部屋でやり続けて死んでしまった少女の霊のことだ。宿題を嫌がる人に取り憑くと言い伝えがあり、みんなミマチガイ様にお供え物をして嫌がっても来ないようにしていた。
翌日
剣汰「あーあぁ、夏休みの始まりだあ……」
??「剣汰様」
剣汰「……!?
だっ、誰だ!」
??「私は、ミマチガイ様の使用人の麗羅(レイラ)と申します」
剣汰「ミマチガイ様……?」
麗羅「剣汰様に警告をしに参りました」
剣汰「え?警告?」
麗羅「あなたは、これ以上宿題を嫌がればミマチガイ様に取り憑かれて命を落とします」
剣汰「どうしてだ?」
麗羅「……ミマチガイ様についての説明…お聞きになりますか?」
剣汰「……お、おう」
麗羅「____ミマチガイ様とは、夏休みに宿題をエアコンがない部屋でやり続けて死んでしまった少女の霊のことです。宿題を3回以上嫌がった人に取り憑きます
____ここから先の話は「聞く!」」
麗羅「剣汰様……
3回目に嫌がると……
『ミマチガイじゃないのね……』
と言って取り憑きますが……」
剣汰「……ゴクッ」
麗羅「そこから熱心に宿題をすれば
『やっぱりミマチガイだったのね……よかった……
私の代わりに頑張ってくれてありがとう』
と言い消えていき、幸福をもたらします」
剣汰「…!?
____良かった!」
麗羅「剣汰様……」
剣汰「……?」
麗羅「申し訳ございません、言っていませんでしたね」
その時だった____
『良かったって……』
『なあに?』
剣汰「ぎゃああああああああ!!!!」
麗羅「ミマチガイ様、お帰りなさいませ」
『ただいま……麗羅……』
一部が赤く染まった白い部屋で、ふたりは話していた。
麗羅「ミマチガイ様」
『なあに?』
麗羅「次はこの娘です」
『わかった……』
麗羅「残念ですねぇ。」
『うん……』
麗羅「ミマチガイ様に目をつけられたら」
『部屋がこの部屋みたいになっちゃう……』
麗羅「ミマチガイ様、ここは綺麗にして私たちの部屋にしましょう」
『うん…ここは涼しいなあ……エアコンがあって…』
麗羅「よかったですね」
「ミマチガイ様」
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