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私は花壇係で、花壇に水をやる仕事をしている。
「あーあ、めんどくさいなあ
こんな仕事やりたくもないのに」
その時、どこからが声がした。
『み…を…か…る…や…て…れ…』
「……?」
するとまたはっきりとした声が聞こえた。
『水をかけるのやめてくれ……』
(……!瑞子(ミズコ)サンだ!)
瑞子サンとは、冬、花壇に水をやっていると、『水をかけるのやめてくれ……』と言い、そのまま水をかけ続けるとと恐ろしい顔が花壇に出てきて、喰われると言う。その顔の正体が、瑞子サンだと言う。
ちなみに瑞子サンはこの学校の生徒で、瑞子サンも花壇係。本名は『瑞山 里愛子(ミズヤマリアコ)』と言う。瑞子サンはいじめられっ子で、真冬にも関わらずいじめっ子が氷水をこっそりジョウロの中に仕掛けて、寒がらせたところで頭から真冬の川の水を被らせていた。その様子から、『瑞山』の『瑞』と『里愛子』の『子』を合わせて、『瑞子サン』とあだ名をつけられたそうだ。それに耐えきれなくなった瑞子サンは、自殺しようと屋上に立つが、いじめっ子から押されて頭が原型を留めていない状態で死亡した。
その時いじめっ子が発した言葉は、
「花壇に宿る霊になれば?
惨めだなあ、
ふふふっ」
「出ておいで、出ておいで、醜い醜い瑞子サン」
だそうだ。
瑞子サンに襲われそうになった時には、
『助けて、岾子(ヤマコ)サン』
・ ・
と2回唱えると、岾子サンが助けてくれる。
私は試してみようと思い、そのまま水をかけ続けた。
『やめろって言ってるでしょ……』
「……!」
次の瞬間、恐ろしい顔が口を開け迫ってくる。
「助けて、岾子サン」
「助けて、岾子サン」
「助けて、岾子サン」
「岾子サンお願い!」
「助ケテ……岾子…」
ガブッ
ムシャムシャ
『____次ハ私ガ瑞子サンネ
瑞子サン、帰ッテイイヨ
私ガ代ワルネ』
『____アリガトウ、Mチャン……』
『呼ビ捨テハ悲シイカラ助ケナカッタ
_____3回モ言ワレタラ鬱陶シイヨ』
そう言って岾子サンはフッと姿を消した。
『今ノ瑞子サンハ私ヨ
サァ、代ワッテクレル人ハイツ来ルノカナ
アハハッ、楽シミ』
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