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「大和っ!」
「……支倉?」
想像していたのと違う私の勢いに、戸惑っている大和を無視して私は続けた。
「言うの、もうちょっと待って! 私もやるだけやりたいの」
「いいけど、何を……?」
「勘違いかもしれないから、今は言えない。でもひとつだけお願いがある。辰巳弁護士の奥さんの電話番号を教えてほしい」
「レイさんの?」
どうして、待ってるなんて言ったんだろう。
待ってるだけじゃダメだ。私も一緒に立ち向かうよ。同じ迷宮を、手を取り合って歩いて行くために。
私は考えを巡らせた。
本心を、教えてくれるだろうか。助けてくれるだろうか。でもまずは、やってみるしかない。
『堂々と生きていきたいんだ』
大和の願いを、叶えたいから。
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