15 編集

4/7
前へ
/280ページ
次へ
 加恋のグイグイ来る性格は好みじゃなかったから、何回か付き合ってと言われて、何回か断った。でも、かといって他の子と付き合うわけでもなかった俺に、彼女は『好きな子がいないなら、とりあえずお試しでいいから付き合ってみようよ、ね!』と友だち連れで迫ってきて、俺もまぁいいかと思ったのだ。 「やーだねーぇ、この色男!」  蒼汰が俺の背中をバシンと叩く。ペットボトルの中で、白いカルピスソーダがピチャンと跳ねた。 「あー俺も沢井に告られてみてー!」  俺から離れると、蒼汰は両手を上げて背もたれにのけぞった。 「………広報委員女子のレベル高いよな。支倉もまあまあ可愛くね?」  俺はぎこちなくならないよう気を遣いながら、支倉の男子人気を聞き出そうとしてみた。 「支倉かぁ。うーんまぁブスじゃねえけどなぁ」  蒼汰は首を傾げた。えっ、いや可愛いだろ。
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加