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加恋のグイグイ来る性格は好みじゃなかったから、何回か付き合ってと言われて、何回か断った。でも、かといって他の子と付き合うわけでもなかった俺に、彼女は『好きな子がいないなら、とりあえずお試しでいいから付き合ってみようよ、ね!』と友だち連れで迫ってきて、俺もまぁいいかと思ったのだ。
「やーだねーぇ、この色男!」
蒼汰が俺の背中をバシンと叩く。ペットボトルの中で、白いカルピスソーダがピチャンと跳ねた。
「あー俺も沢井に告られてみてー!」
俺から離れると、蒼汰は両手を上げて背もたれにのけぞった。
「………広報委員女子のレベル高いよな。支倉もまあまあ可愛くね?」
俺はぎこちなくならないよう気を遣いながら、支倉の男子人気を聞き出そうとしてみた。
「支倉かぁ。うーんまぁブスじゃねえけどなぁ」
蒼汰は首を傾げた。えっ、いや可愛いだろ。
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