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大和の提案に、虫取りミッションで時間がかかったみーちゃんも頷いた。
「そうだね。私も待たせて申し訳ないなと思ってた」
「いや、待つのは全然いいんだけどー……。
でもそれぞれのペースがあるよね。あたし、サクサクやっちゃうから焦らせても悪いし、ペア行動にするか!」
まりりたちが走ってくのを見送って、
「さて、俺たちのペースで楽しみますか」
みーちゃんたちとも別れて、大和は私を、同じ木の枝に誘った。
腰掛けるのにちょうどいい、真横に張り出した太い枝に並んで座ると、木陰になっていて、気持ちのいい風が吹き抜けて汗を乾かしてくれた。
「見晴らしいいねー! 下の方の町まで見えるよ! まりりにも教えてあげたかったなぁ」
「あいつはいいんだよ。感動ポイントが違うヤツだから」
「そんなことないよぉ」
私は「後でまりりに見せてあげよう」と、スマホで写真を撮った。
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