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19 ハニカムラビリンス
「ハニカムラビリンスの見取り図はこちらです。ご覧の通り、蜂の巣のように全てが六角形の全く同じ部屋で区切られた迷路です。
迷路といっても、入り口と出口以外、特に順路はありません。中で3つの宝石を集めてから、ゴールしてください」
エレベーターを降り、出迎えたスタッフから紙を受け取ろうとして、未だに俺と手を繋いだままだったことに気づいた支倉は、ばっ、と飛び退くように手を離した。
「あっ、ごめん、あんまし頭働いてなくてっ」
あーあ、せっかくうまいこと言って繋いだのに。
どさくさに紛れて、そのまま行こうと思ってたのになぁ。
俺は内心ちょっと残念に思いつつ、もらった紙を熱心に見る支倉を見る。
多分こいつは自覚がないんだろうな。
自分が、思春期の男子から見て単純に、手を繋げてラッキー! と思えるくらい、可愛いってこと。
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