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 魔物を殺せ。手を止めるな。足を止めるな。赤を散らし、心を消せ。怯むな。戦え。殺せ、殺せ、コロセ。  全てが終わった時、残ったのは、無、だった。  あたりに転がる、人だったもの。そして、自分が殺めた魔物だったものの残骸。  ここは地獄か。それともーー。  それでも、何も感じない自分に、サクはただ立ち竦んだ。 「生きている子がいるなんて・・・・・・」  聞こえてきた柔らかな声にサクはぼんやりと振り向いた。 「酷い怪我だ・・・・・・。早く治療をしないと」  焦ったような声を、他人事のように聞く。しとどに流れていく血でサクの足元は赤く染まっていた。  魔物を殺さなければいけない。自分の体がどうなろうが、構わずに突き進め。頭の中で響く声に、突き動かされるようにして戦う。その結果が、これだった。
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