01♡完璧な王子様

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生徒会室に入ると、すでに久世くんは椅子に座って何かの作業をしていた。 うわ〜、やっぱりかっこいい……。 まさかこんなにかっこいい王子様と、一緒に放課後過ごせるなんて嬉しいな。 これって、運命? ……なんてそんなわけないよね。 だって生徒会に入ったのは、今年3年生のお兄ちゃんの推薦なんだし。 「久世く……」 声をかけようと思ったけれど、やめた。 だってすっごく真剣なんだもん。邪魔しちゃったら申し訳ないよね。 窓から入り込む心地よい風が、ふわりと白いカーテンを揺らす。 久世くんのバックにそんな光景が映り込んで、全てが一体感となり絵となる。 ずっと見ていられそうなくらい……。 「……あれ、春野さん。いつのまにここに来たの?」 作業の手を止めると、私へと視線を移した。 その病院は、とても爽やかで思わず"きゅんっ"とした。
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