6.昼休憩

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 いや、まず何でこんなに離れた!と疑問を呈したい、と睦月弥生は思う。天陽は1グループには会長、2グループでは相生先輩と東谷、そして3グループでは……。 「むっちゃーん、俺のシュークリームあげるわ」 「いや要らないですしむっちゃんって呼ばれるのは嫌です!って何回言いましたっけ!」 僕と、斎江先輩の組み合わせとなったのだ……。  大体、僕は斎江先輩がすこぉぉぉしだけ苦手なのだ。人を平気で揶揄ってくるとことか、そのくせなんかちょっぴり優しくて? 顔も良くて? 些細な変化にも気付けるタイプで? それはそれはおモテになるんでしょう、と生まれてこの方色事に縁がない僕は思う。──まあただの嫉妬に過ぎないことなんてわかってるけど。  だから出来ればいっつも優しくて(生活面以外では)頼りがいのある会長とか、クールビューティーなお姉さん的存在(僕調べ)、相生先輩あたりと一緒のグループがよかった。だって話しやすいんだもん。その上僕は知らない人と話をすること自体大の苦手(じゃあ何で生徒会入ったんだよ、って話になりそう。まあそれは追々)だからほんっとにこういう場に向いていない。あー早く帰りたいっ!  なあんて思いながら激ウマな飯(有名店の焼肉弁当!)を食っていると……、おやおや? いつもなら五月蠅いくらい話しかけてくる斎江先輩が黙々とどこかを見ながら食べているではありませんか! 誰か気になる人でもいたのかなぁ〜とその目線を辿ると──そこにいたのは我らが会長、木崎先輩だったのだ。
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