7.交流会後半戦

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 そこから僕と深畝は会話をしながら原稿を完成させ、スライド組と合わせ練習をした後、発表になった。斎江たちのいた班からは、内容によって箱を分け、また、生徒側に具体的な募集内容を示しておく、という案が、相生たちのいた班からは、もはや日常のお悩み相談からなんでも意見を募る、という案が出た。どれも普段5人で話しているとなかなか上がってこない意見で、感心するとともに、1年組がプレゼンターとして発表しているのを見、その成長っぷりに感激した。入って来た頃にはあんなに小さかったのに、と彼らの親でもないのに思ってしまう。  そして、ほぼ形だけの投票があり、うちの班がベストアイデア賞なるものを頂いた。少し嬉しい。その後、全体での写真撮影があり、九陽の生徒会室を覗いてから(すごく広かった。うちの4倍はあった。さすが九陽)、流れ解散となった。僕は、生徒会室の前に来ていた。  コンコンコン、と重厚そうなドアをノックし「失礼します」と入る。ドアを開けてから広がるのはまさに、マンガで見るような生徒会室だった──。  まず円形の部屋の中央にはドーナツ型の机が中央にドン、と置かれている。そしてそれぞれの椅子の前にはラップトップが揃っている。ここ九陽ではIT化が進んでいて、生徒1人一台パソコン購入義務があるらしい。作業の効率が良さそうで羨ましい。うちは姉妹校とはいえそういう部分では遅れているので、お古のパソコンが2台ほどあるくらいだ。また、上を見上げれば、天井にはドーム状のステンドグラスが一面に嵌め込まれており、上から差す光が部屋を彩っているばかりか、放射状になっている梁の中央部からはシャンデリアがぶら下がっている。そして、部屋の左右には戸があり、右は歴代の資料が残る書庫、左は応接室になっていた(さっき見た)。深畝は、ちょうど入って正面奥にある席に座っていた。
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