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その猫背男はカウント・ストレリツィ卿。
性根がねじ曲がった被害妄想が強すぎる割に言うことばかりがでかい男で、よく
「でかいチャンスを掴んで俺はいつか成り上がる」
なんて言っているくせに、やれ
「前線で戦うのは嫌だ」
だの
「皆が俺をチームから外す!いじめだ!」
なんて言ってくる男だ。
それでも私は、前線で戦う騎士はみんな仲間だと思って、みんなと同じように親切にしていた。
彼も口や態度は悪いけれど、例えばそれでもちゃんと前線に来たり(逃げ腰だったけれど)、必死に頑張っていたりしていたので、きっと対人スキルがないだけでいい人なのだと受け止めていたのだ。
しかし。私が甘かった。
彼は何を思ったのか、いきなり私に壁ドンしてキスを求めてきたのだ。
「なあ、好きなんだろ? 俺のことが好きなんだろ? じゃあキスさせろよ」
「やめてくださいストレリツィ卿。一応、私今王太子と婚約の話が進んでますので……」
「お、俺のことを馬鹿にしやがって!! 平民の癖に!! 訴えてやる!!!」
「あ、あー……」
こんな顛末があったので、絶対なんか報復してくるだろうなと思ったらこれだよ。
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