10人が本棚に入れています
本棚に追加
「それ、蒼月譲がスーツアクターをしている
戦隊シリーズのお菓子なんだぜ。うまいだろ?」
それを聞いた海は、がっくりと項垂れた。
そして諦め顔で
「そうなの。おいしいね」
と半ばやけっぱちで言った。
「・・・なぁ、海。
あの猫どうなったのかな?」
蒼月譲のスタントショーを見た後、
海は、道路の植木に蹲っている子猫を拾った。
どうしていいのか分からず、
かといって、海も青葉も家では飼えない。
すると青葉は動物愛護団体の住所を知らべ、
連絡を取り、受け入れてもらった。
なけなしの小遣いも寄付をして。
「うん、子猫だったからすぐ貰い手がついたって。
あ、譲渡される前の動画が送られてきたんだ。
・・・はい、これ」
「うわぁ。大きくなったな。
・・・俺達が飼えれば良かったのにな」
「仕方がないよ。でも、あの時青葉君
すっごくてきぱき判断して凄かったよね」
「そりゃぁ、スタントマンは危険な仕事だから
的確な判断ができないとな」
「うん、そうだね。でも、安全第一でね」
「おう、もちろん。オレはぜってぇ事故をおこさねぇぞ」
「うん、本当にそうしてね」
「じゃぁ、その為に蒼月譲さんの戦隊シリーズ
最初っから見てもいいかな?」
「結局そうなるのね。じゃぁ、お菓子と飲物補充してきて。
私も付き合うから」
「ラジャー」
了
最初のコメントを投稿しよう!