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むかしむかしあるところに、ひとつの国がありました。
そこを治める王様には沢山の子供がいました。
一番目の王子は、とても賢く聡明な施政者でした。
二番目の王子は、国で一、二位を争う剣の使い手でした。
三番目の王子は、朗らかな性格で皆から親しまれていました。
四番目の姫は、民が見惚れる程の愛らしい顔立ちをしていました。
五番目の姫は、誰もが耳を傍立てる澄んだ歌声の持ち主でした。
六番目の王子は、平凡な王子様でした。
特別得意なものがあるわけでもなく、気質も大人しい末の王子は、他の子供たちに比べると希薄なお方だったことは否めません。
ただ、一つだけ。特徴をあげるならば。
六番目の王子は、花を大切に愛でる人でした。
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