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「いや……、ももの友達が風邪をひいてる、って話を聞いたから……」
「アタシ、ユキトにみかんちゃんの家がドコにあるとか、一切教えた記憶が無いんですけど。
つーか、何でアンタがみかんちゃんの部屋の合鍵を持ってる訳?」
「鍵は、ポストに入っていて……」
「いや待って、それ普通に不法侵入じゃん。
意味分かんないだけど?
何で、みかんちゃんの家にユキトが来る必要があるの?
アンタ、さっきアタシに『今日も動画頑張ってね、おやすミンミン』とかLINEで送ってきてくれたよね?
あの時にはもう、みかんちゃんの家に向かってた訳?」
「待って、ユキトが来てるの!」
ココで事態を察した猫乃みかんが、慌てた様子でトイレから出てきた。
そして、この辺りで動画の視聴者はおおよその流れを察したのか、「修羅場!」「まさかの三角関係?」「ユキト二股?」というコメントを次々と書いていった。
「みかんちゃん、コレどういう事?
アンタ、アタシがユキトと付き合ってる、って事を知ってるよね。
何で、そのユキトがみかんちゃんの家に来てる訳?」
「あっ……、ユキトは友達だよ。
ももちゃんには言ってなかったけど、実は前から結構仲良かったの」
「仲がいい友達が来ただけで、なんであんな慌ててトイレから出てきた訳?」
葵ももの詰問に、猫乃みかんはしどろもどろとなり、ただ場当たり的な言葉を繰り返すのみとなった。
「お前ら、ふざけんのもいい加減にしろよ!」
葵ももの怒声が、部屋全体に響き渡った。
そして、当然ながらその声は動画の視聴者にも伝わり、深夜であるというにも関わらず動画の視聴者数はうなぎ登りに増えていった。
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