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「お前ら、何も知らない風装って、今までアタシを騙してたのかよ!
クズじゃん、クズすぎるじゃん!
いつから、こういう事してたの?
みかんちゃんも、アタシとユキトが付き合ってる、って知ってんのに何でそんな真似出来る訳?」
「いや、だからさももちゃん。
ユキトとはただの友達で、何にもないから……」
「ひょっとして、セフレでも『友達』って言い張る訳?
はぁ?
それで『フレンド』とか言われたら、こっちとしては殺したいくらい腹立つんですけど!」
「いや、もも。ちょっと落ち着けって。
俺は単純に、風邪をひいてる友達の家にお見舞いに来ただけ」
「浮気してたお前に、指図されたくないんだよ!」
葵ももの怒声が止まらない。
同時に、動画の視聴者は「ユキト」なる男の正体を突き止めたらしく、「ももちゃんの近くの店でホストやってる!」といった情報や顔写真のURLを、コメント欄に矢継ぎ早に書き込んでいった。
「もも、取り敢えず包丁をこっちに向けるのはやめよう。
危ないだろ、それ置いてひとまず落ち着いて話をしようや」
「こんな状況で、落ち着いて話が出来るかよ!」
葵ももは涙声で絶叫すると、
「あー、刺してぇ。お前ら二人まとめて刺してぇ」
といった発言を、念仏のように繰り返し始めた。
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