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 ぴちゃん、ぴちゃん、ぴちゃん――――  しずくの落ちる音が、湯気でけぶった室内に響き渡る。全身にまとわりつく湯は次第に冷え、赤川から体温を奪っていた。 (はっ、はっ、…………っ、)  タイルの壁についた手を、思わず握りたくなる。でもだめだ。手はちゃんとつくこと。彼の命令は絶対。  ――こら、  突き出した尻を、ぴしゃんと打ち据えられた。たまらず膝がくず折れそうになる。するとまたぱしん、ぱしん、と打ちすえられ、赤川を屈服させた。  ――堪え性のない先生だ。そんなにお仕置きされたいの?  冷え冷えとした囁きに、ぞくりとした。打たれた尻がヒリヒリ痛む。それなのに、興奮が高まっていくのは何故だろう。  彼の指が、ぐりゅりゅっと泣き所を抉った。それだけでもたまらないのに、もう一方の手が乳首をきゅっと引っ張り、甘い痛みに痺れた。火照った身体が、追い込まれていく。  辛い――でも、気持ちいい。  ペニスは腹につくほどいきり立ち、よだれを垂らして解放を待ち侘びていた。つっと落ちたしずくが、床に向かって糸を引く。その淫靡な光景に、赤川は思わず目をそらした。 (ああ、またあの夢だ……)  とても濫りがましく、背徳的で、リアルな夢――後ろの孔を男にいじられながら、赤川はこれを夢だと理解していた。それなのに、男に逆らうことも、自らの意思で夢から覚めることもできない。  いつからだろう、この淫らな夢を見るようになったのは――  夢には必ず見知らぬ男が出てきて、赤川を様々な方法でいたぶり、弄んだ。浴室で後ろをいじめられるなんてまだ序の口で、ベッドに磔にされたり、後孔をおもちゃで攻められたり、コックリングで射精をせき止めたまま突かれたり、男の攻めは夜を重ねるごとにエスカレートしていく。彼はかなりのサディストらしく、赤川が悶えるほど悦んだ。  いったい、今日はどんなやり方でいじめられるのか――考えただけで、股間がさらに熱くなってしまう。  ――すっかり準備が出来たね、先生。  男は赤川を連れ出すと、おざなりに身体を拭いてベッドに転がした。  四つん這いで男がにじり寄り、ぎしりとベッドを歪ませる。小柄だが、程よく筋肉のついた男の裸体は、まるでしなやかな豹のようだ。彼の股間では、雄が透明な蜜をまとって漲っている。それを目にした赤川は、ごくりと唾を飲んだ。  ――さあ、先生。足を開いて。  赤川はゴクリと唾を飲み下し、膝裏に手をかけた。  どんなに恥ずかしい行為でも、彼に命令されると身体が勝手に動いてしまう。赤らんだ肌も、だらしなく蜜を垂らすペニスも、そしてすっかりほぐされた秘孔までもが、彼の視線に晒される。その獰猛な目に見下ろされているだけでも、じゅわっと最奥から蜜があふれ出てくるようだった。 (ああ、――来る)  期待が、赤川を欲望に染める。視線を痛いほどに感じる。たまらない。この瞬間、男に支配されているのに、なぜか自由だと感じる。  男が、ぐっと赤川の太ももを押し広げる。  その腕には、瞳をかたどったタトゥーが彫られていた。  
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