3人が本棚に入れています
本棚に追加
眠れない晩には、星空を仰ぐ。
地球から3000光年と少し離れたところに浮かぶ惑星、ティリッジ。
その風景も住む人も、地球にだいぶ似ていて、少し違う。
この星の、小さな港町に夜が来た。
「今夜も星がポンターロのために歌いますように」
「星が歌いますように。パパ、ママ」
いつものように寝る前のお祈りの言葉を交わして、ポンターロは自分の寝床に入った。
スフで編まれたシーツは柔らかく、チュアットルの毛を織り込んだ青の毛布はふわりと軽い。
彼はごそごそと毛布の掛け具合を調節して、三つの目を閉じた。
ポンターロがこの地上に転がり落ちてから――パパやママは時々そういう言い方をする――12回目の秋の初め、窓を開けなくても涼しい夜が続いている。
階下からひっそりとした両親の話し声がする以外は、窓を揺らす風もなく、しんとした空気に部屋は止まっている。いつもならこんな日は、すぐに頭の中に「夢の世話人」がやってきて、あっという間にポンターロを眠りの世界へと引っ張り込む。
けれど今夜、ポンターロは、三つの目を順番に開けた。
眠れない。
しばらくもぞもぞと右を向いたり左を向いたり、お腹の上で四本の手を組んでみたり、毛布のしわを伸ばしてみたりしたが、眠ろうとすればするほど目は冴え、世話人は遠くへ去っていく。
代わりに、寝床に入るまでは姿をひそめていたものたちが、頭の中にそろりと顔を出し、ぽとりと落ち、じわりと広がる。
ポンターロは、ふう、と大きく息をついた。
ついさっき見た、回覧板のおそろしい絵のせいだ。
最初のコメントを投稿しよう!