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 ◆  一般的に、二次性の性分化は十歳くらいから始まることが多い。  まだ精神的に成熟していない十代前半では、分化とともに二次性の特質をコントロールできず不安定になる子どもが多かった。 たいていの場合、性分化の兆候が現れると抑制剤を処方され、少しずつ二次性との付き合い方を学んでいくことになる。  そんな中、優馬は十二歳を過ぎても何の予兆も見られなかった。 念のためと検査をしたときに、Glareがあるようだ、ということはわかった。しかしGlareはあるだけで体の外に出てこないし、Dom特有の欲求も一切ない。 GlareがあるためにDomという性に判定はされたが、優馬自身は、自分はNeutral(中性)に近いと思っていた。  そして同様に、小学生からの友人で、同じクラスだった陽夏瀬(ひなせ)も、性分化が遅かった。
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