信頼したくないSubと支配したくないDomと

３．

　優馬は心の誘いに対し、しきりにNeutralだと言い張っていた。
保健室で優馬に声をかけられたとき、心はたしかにGlareを感じた気がしたのだが、最近は本当に勘違いだったのだろうか、と思い始めている。

　もし優馬が本当にDomではないのなら、これ以上彼を誘い続けることに意味はない。
心はPlayのパートナーが欲しい。
しかも香川から守ってもらう必要がある。
だから香川よりも喧嘩が強くて、Domとしてのランクの高い人間を探していた。

　もっとも、Switchである香川のGlareあまり強くない。
その為、彼は常に峰岸(みねぎし)という、一年の男子生徒を横に置いている。

　香川も敵が多いから、強制的にSwitchされた場合は危険が伴う。
峰岸はDomで、中でもかなり強いGlareを持っていた。
万が一、香川がSwitchされた場合に相手のDomを威嚇して香川をDomに戻す役目を持っている。

　要するに心の新しいパートナーは、香川よりも喧嘩が強くて、峰岸よりもDomとして格上でなくてはならない。

　優馬がもしDomであれば条件を満たすかもしれない、と思っていたのだが、もし仮にDomだったとしても、これほどGlareが感じられないのであれば、Neutral寄りで峰岸よりもランクは下なのかもしれない。