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 その日も夕方の六時半頃に一度帰宅した姉は、簡単な夕飯を作って七時過ぎに家を出ていった。 しかし、なぜかすぐに引き返してきた。 「優馬、ちょっと来て!」  切羽詰まったような姉の叫び声が聞こえてきて、優馬は何事かと急いで玄関に向かった。  姉は青白い顔をした心を抱えていた。 「この子、部屋の前に座り込んでたんだけど、あんたと同じ高校の制服よね? 友だち?」 「え、ああ、友だちっつうか、」 「様子おかしいのよ。Subでしょ? Dropしてない?」 「え?」  優馬は姉の腕から心の体を預かった。 ぐったりとして自力で立てないようで、支えていないと崩れ落ちてしまう。 焦点が合わず、呼吸も少し浅かった。  姉は何かあれば連絡するようにと告げ、心を優馬に任せて仕事へ向かった。
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