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「おい、芹沢、」
反応はない。
意識があるのかないのか、よくわからなかった。
死んではいないだろうと思いながら、その場に屈んで改めて心を見る。
血液に混じって白濁した液体であちこちに汚れていた。
ズボンは下着ごと膝の下まで引きずり降ろされていて、むき出しになっている内股から幾筋もの赤い線が流れ、太ももや膝のあたりまで達している。
無理に引き裂かれたらしい奥蕾は、ぱっくりと口を開いて血と精の混じったもので濡れそぼっていた。
「生きてんの、」
答えは返ってこない。
「Look」
血に汚れた心の黄色い頭がぴくんと反応する。
やがて、ゆっくりと首を動かして横を向いた心が、地面に頬をつけたまま優馬のほうへ視線を向けた。
顔面は色んな液体にまみれてぐちゃぐちゃだった。
焦点も合わず、意識は沈んでしまっているように見える。
優馬はCommandに従った心の頭をふわりと撫ぜた。
「よく頑張ったな、良い子、」
すると心の双眸が、今度はちゃんと優馬の姿を映した。
しかし、意識を引き上げられたかどうか、すぐには判然としない。
「起きれるか、」
声をかけてみると、心はもぞりと身じろいで、ゆっくりと体の向きを変えた。
しかしもう体力は尽きているようで、柵にもたれかかりながらどうにか身を起こす。
「つか、とりあえず下、直せよ、」
むき出しのまま柵に背中を預けて座った心に、優馬はため息をついた。
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