5.

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 シャツはところどころボタンが飛んでいる。 ぜんぶはだけているよりはいくらかマシだろうと思って、残っているボタンを留めてやっていると、心が突然、不思議そうに訊いてきた。 「なんで大橋がここにいるの、」 「昼飯食いにきたら、お前らに邪魔されたんだよ、」  ボタンを留め終えてから立ち上がる。  心の視線が追いかけてくるのが分かってちらりと見下ろすと目が合った。 「そうだったんだ」 心は上を向いたまま、へらりと笑った。 「あ。大橋、肩のとこ、血ついちゃった。ごめんね、」  優馬は自分の肩を確認する。 たしかに少し赤くなっていた。 しかし、そんなことは、今はどうでも良い。 「おまえ、どうしたいの?」 「え?」 「おれに、どうして欲しいんだよ、」 「んー? あ……、とりあえず、拭くものと着替え持ってきてもらえたら助かるかなー、」 「そうじゃなくて、」 優馬は言いかけた言葉を途中で呑み込んだ。何もかもがどうでもいいような、馬鹿らしいような気持ちになって、ひとつ息をつく。 「わかったよ。拭くものと着替えだな。持ってくる、」
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