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くるりと心に背中を向けて、出口のほうへ歩き出す。
どこかで鳶が鳴いた。
優馬は立ち止まって秋空を仰いだ。
すっきりと晴れた青空に、薄い雲が浮いている。
鳶の姿は見つからない。
ふ、と、背後にあった心の気配が突然消えたような気がして、とっさにうしろを振り返った。
心は柵にもたれて足を伸ばして座ったまま、ぼんやりと上空へ顔を向けていた。
彼の瞳はただ、流れてゆく雲を映している。
おわり
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