6.その後

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 寝苦しさで目が覚めた。 床に布団を敷いておいたのに、心が隣に潜り込んで優馬に抱きつくような体勢で寝ていた。  優馬はうんざりとため息をついた。 蹴り飛ばして床に転がしてやろうかと思ったが、さすがに満身創痍の心にそこまで出来ず、腰に回されていた心の腕を無理やりほどいて起き上がった。  窓の外から見える景色は、西日のオレンジ色に染まっている。 昼過ぎに帰ってきて、四時間ほども寝ていたことになる。 「んー、……」  心は目を閉じたまま小さく唸って眉をしかめた。 寝返りをうって仰向けになる。 こびりついていた血液だとかはきれいになっていたが、かわりにまだ血の滲んでいる裂傷や、赤や紫に変色している打撲の痕が目立った。  気になって頬に触れてみると、やはり熱を持っている。  優馬はほんの少しだけ、後悔した。 もっとたくさんReward(ご褒美)をあげて、ちゃんとCareしておくべきだったかもしれない。 ――しかし、心も悪い。 いつもなら、優馬を起こしてしたいしたいと言うくせに、今日に限って何も言わない。
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