6.その後

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 ◇  眠りから覚めると、ずきずきと体が痛んだ。 痛みのせいで逆に意識がはっきりしている。 しんと静まって誰もいない様子の室内に、心は不思議に思いながら体を起こした。 「いっ、つ……」  動いたとたん、乱暴に犯された秘部に鋭い痛みが走る。 ふとんをめくって確認したが、出血は止まっているようで、シーツは汚していなかった。  部屋の中を改めて見渡してみるが、やはり優馬の姿はない。 テーブルの上に薬箱が置いてあって、その横に鎮痛剤の箱が出してある。 ベッドを下りてフローリングに座り込み、ミネラルウォーターのペットボトルを手にとってみる。 蓋はまだいちども開封されていない。  思わず、ふっと笑いが漏れた。 迷惑そうにする割に、放っておくこともできないらしい。 目つきが悪いしそっけないからわかりづらいが、根が優しいのだろう。
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