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1.
「Strip」
香川の口から放たれるCommandに、心は抗えずにシャツのボタンに手をかけた。
「Crawl」
心は膝を折りかけて、ふるりと首を振った。
「RED」
それは香川と心との間で取り決めた、Playを強制的に中断するSafe wordだった。
Subがそのワードを口にすれば、Domはそれ以上Commandを続けられない。
香川はひどく不機嫌な顔をして舌打ちすると、周囲にいた取り巻きに目配せをした。
Playは中断された。しかし、それはあくまでPlayに限っての話だ。
「っ、香川、」
強制的に中断したあと、ろくにCareもなく取り巻きにレイプさせようとする香川に、心は考えなしにSafe wordを口にしたことを後悔した。
香川がこういう男だとわかっていて、それでも心はPlayのパートナーが欲しくて彼に近づいた。
脳が痺れたようになってうまく体が動かない。
Subとしての欲求が満たされないまま、体を押さえつけられて一方的に蹂躙される。
「ぃ、っ、」
無理やり内部をこじ開けられる痛みに、息を飲んだ。
「もうちょっと色気ある声出せよー、」
数名の生徒に輪姦されながら、下卑た笑い声で蔑まれて、自分という人間という価値の所在がわからなくなってゆく。
しかしそのうちに意識は薄らいで、あらゆる感覚は遠ざかっていった。
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