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心の精神状態が落ち着いたのを見計らったように、優馬の手が心から離れた。
「落ち着いたら自分の教室戻れ。あと、もう建設科にも機械科にも近づくな、」
突き放すような言い方に、体が冷えていく感じがした。
「会いに行くなってこと、」
「そんなこと言ってないだろ、」
「行かないと会えない……、」
「連絡すればいいだろ」
優馬はそう言うと、ポケットからスマートフォンを手にとると、メッセージアプリの画面を表示させてから心のほうへ放り投げた。
「……連絡したってどうせ寝てて気づかないんでしょ」
心はいまいち釈然としないまま、自分もスマホを出すととりあえず優馬の連絡先を登録した。
「なんでだよ、気づくだろ……、そもそも、昼休みに来られたって、学校では何もしないからな」
そんなこと、言われなくても分かっていた。
だいたい優馬の部屋でふたりきりで居ても、かなり頑張って誘わないとなかなかしてくれない。
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