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「晩飯は何食いたい?」
「ハンバーグかな」
「じゃあファミレス行くか」
「うん」
街道に入ってしばらく、目についたファミレスにじゃりりと車を入れると西の空はほんの少しだけオレンジ色にざわめいていた。
「それで安穂と道香ちゃんと一緒に暮らしたいの?」
「うん」
「そっか」
道香ちゃんは安穂の娘だ。道生は運ばれたデミグラスソースのハンバーグを静かに切り分けながらそう答える。
「全然覚えていないのに?」
「うん」
「他の人と結婚するのでもいいの?」
「うん」
「結婚してどうする?」
「一緒に生活する」
「誰とでもいいの?」
「知ってる人がいいな。怖くない人」
ステーキを切り分けて口に運んでいると道生が俺に問いかけた。
「一緒に住むだけなら住んでもいい」
「一緒に住むのは家族がいい」
「そっか。美味い?」
「うん」
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