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夕方、アルベールは店の二階にある自宅にいた。ソフィへの言葉どおりジェラルドが担いで帰ったらしく、テーブルには姉妹の家でこしらえたリゾットが置かれていた。
「携帯用の容器まで……相変わらず用意が周到ですね、ジェラルドは」
リゾットを食した後、身支度を整え、店へと向かう。扉を開けると、ジェラルドが厨房にいた。
「起きたか。今日は比較的早かったな」
「いつもありがとうございます」
アルベールが柔らかく笑むと、彼の胸ポケットから球体に戻ったグリモアが顔を出す。
「グリモアも、いつもありがとう」
その言葉の後、グリモアは自ら本の中へと戻った。「カチャ」という南京錠の音とともに、今日も眠りについた。
【二人の天使】~fin~
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