とある中学生の非日常体験記

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ー夢世界ー 「あ、あのここは?」 夢神『私の管理する世界です。名前はありません、付ける必要がないですからね。あくまで個人的前線基地といったところで、住民はいませんし、建物のもこの一棟のみ。まぁそれも場合によりけりなんですが・・・ ささ、つきました。 このボタンを押してください。』 「はい!?」 夢神『今夢と現実とをリンクさせ、夢世界でも同じように地球滅亡の瞬間を映し出しています。で、このボタンを押すとそんな状況をリセットしてくれるのです。で、現実とリンクさせているので、自動的にあちらもリセット。無事解決となるのです。』 「えっと、君が押せばいいんじゃないの?」 夢神『この夢現実干渉ボタンはこの夢レーダーで捉えた誰かにしか押せないボタンなんです。』 「なんで?」 夢神『わかりません』 「・・・・」 夢神『さ、早く押してください!』 「逆に滅ばない?」 夢神『私は夢を媒体に現実世界を守る義務があるのです。そういう宿命を背負っている神でもあるのです。ウソではありません。』 「胡散臭い・・・」 夢神『もう間もなくですが?』 「・・・・押すよ、押せばいいんでしょ?」(ポチッ) 夢神『・・・・』 「・・・・」 夢神『・・・・』 「?」 夢神『・・・・どうやら謎の物体は消えたようです。』 「ねぇ、一つ聞いていい?」 夢神『はいどうぞ。』 「さっき、リセットするって言ってなかった?」 夢神『はい』 「消滅ではなくリセットってことは・・・」 夢神『えぇ、また出てくるでしょうね。アレ。』 「この行為に意味は?」 夢神『時間稼ぎです。』 「はい!?」 夢神『残念ながら私にはアレを解析する力は持っていません。ただし、とある事態を先送りにする力は持っています。他の神々と連携してこの問題に対処しようとしているのですよ。 私が地球滅亡を先送りにし、別の神があの物体の解析を進める。 そののち、あの物体を打ち消す方法を見つけたときはじめて地球に平和が訪れるのです。』 「えっと、次はいつくるの?」 夢神『明日です。あ、でも地球では今もなお時間は止まっているのでずっと今日ですね。』 「・・・・誰がやるの?」 夢神『このあの謎の物体リセットさせるボタンはあなたしか押せないですし、効果ありません。』 「名前変わってない?」 夢神『夢現実干渉ボタンはただのボタンの名前。今はあの謎の物体をリセットさせるために処理を施されたボタンになってるのです。』 「・・・ずっとここにいろと?」 夢神『・・・そうなるかと』 「いつまで?」 夢神『さあ?』 「・・・・もういいや。寝る。」 夢神『あら。 まぁいいでしょう、しばらくは安泰なので。もうしばししたら起こしますかね。次くるでしょうし。 存在自体の喪失、そんな力私にあればこんな手間取らずに済んだのに… まぁ嘆いてても仕方ありませんね。 おや?通信機が・・・』 (ツ、ツ、ツー ガチャッ) 夢神『・・・この番号は・・・ 視神、どうですかそちらの様子は。』 視神『夢神、無事解析完了しました。その結果どっかの悪神が投げた消滅石とかいう石だそうです。』 夢神『・・・消滅させられますか?』 視神『無神によると可能だそうです。既に取り掛かって・・・ あ、成功しました!』 (ブチッ) 夢神『そうですか、解決しましたか… 夢と現実を一時的につなぐだけしかできないだけに、現実干渉が許されるのは事象の巻き戻しくらい。それしか持ち合わせていない私の力と、ありとあらゆるものを知ることのできる、というかそれしか力を持ち合わせていない視神、そしてあらゆるものを消すことしかできない無神。 なんでこうもそれぞれ役割が決まっているのでしょうか。煩わしくて仕方がありません。創造主はいったい何を思って私たちを創ってしまわれたのか・・・ まぁ今はそんなことはどうでもいいですね。 それよりこの子、元のところに返してやらないと。案外すぐに対処できましたし、明日は無事迎えられそうです。 ボタン押すだけとはいえ大役お疲れさまでした。 さ、そっと送り返しておきましょう。』
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