3人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
田舎の駅は小さい。小さいけど待合室がとてつもなく広い。
クーラーがあまり聞いていない待合室であたしは友達を待っていた。
電車が来るまであと十分。
ふと、掲示板を見た。学校にあるような緑色の掲示板。
『虐待は見て見ぬふりしてはいけません』
『それは本当にただの風邪ですか』
『○月▽日、✕✕祭!』
一番端っこの、他の紙で隠されそうになっている場所に、それはあった。
『指名手配』
おちくぼんだ目に痩せこけた頬。ギラギラした目付きは本当に凶悪犯のようだ。
身長170cm前後……
父さんと一緒だ。
「なんて、言ってみたりして」
「なんて?」
「あ、やっほ。どこ行く?」
「やっぱジャスコやろ。はよ行くよ」
最初のコメントを投稿しよう!