父さんは指名手配犯

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 田舎の駅は小さい。小さいけど待合室がとてつもなく広い。  クーラーがあまり聞いていない待合室であたしは友達を待っていた。  電車が来るまであと十分。  ふと、掲示板を見た。学校にあるような緑色の掲示板。 『虐待は見て見ぬふりしてはいけません』 『それは本当にただの風邪ですか』 『○月▽日、✕✕祭!』  一番端っこの、他の紙で隠されそうになっている場所に、それはあった。 『指名手配』  おちくぼんだ目に痩せこけた頬。ギラギラした目付きは本当に凶悪犯のようだ。  身長170cm前後……  父さんと一緒だ。 「なんて、言ってみたりして」 「なんて?」 「あ、やっほ。どこ行く?」 「やっぱジャスコやろ。はよ行くよ」
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