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『――人気漫画家、小野シスター氏が自室で倒れているのが見つかりました。警察は殺人事件として捜査を進めており、容疑者と見られる鴨ノ橋花子氏は依然見つかっておりません。彼女は小野シスター氏と婚約関係にあり、以前大麻取締法違反や殺人未遂で逮捕された経歴が……』  翌日流れたニュースを見て、僕は言葉を失った。まさか、僕のせいで。現実から逃げたくなった僕は、そのままベッドに倒れ込み、ネットの海に潜り込んだ。しかしどのサイトも小野シスターさんの死を悲しむ掲示板や呟きにまみれていて、心が休まる場所がなかった。真相なのか、それとも誰かの妄想なのかはわからないが、妙に納得できる書き込みを見つけた。 『ある情報筋によると、婚約者の鴨ノ橋氏は以前からストーカー行為や殺人未遂、薬物乱用を繰り返していたらしい。薬物の幻覚症状で婚約者から殺されると発狂することもしばしば。今回は小野シスター氏の原稿を見てそれを殺人計画だと勘違いしたんじゃないか?』  カズヤに送られてきた迷惑メールはどうやら他の人にも送られていたらしい。僕と、たまたま送られてきたカズヤが行動してしまったせいで彼が死んでしまった。  ぼーっと天井を眺めていると、一通のメッセージがあった。スマートフォンの画面へ視線を滑らせると、送信元はカズヤだった。 『集合』  自室にいても気分が落ち込ませることしかやることがない。カズヤは何かおもしろいことを見つけたのだろう。気晴らしにいいかもしれない。そう思って彼の家に行くと、そこには引きつった顔のカズヤがいた。 「なあ、助けてくれ……」  そう言ってカズヤが見せてきた画面には、こう書かれていた。 『件名 ありがとうございます。  あなたのおかげで命拾いしました。その勇気ある行動に惹かれました。よければ結婚を前提にお付き合いしませんか。この前付いていったから、家は知っています。近いうちにお伺いしますね』  押し入れから物音がした。その音は、アルマジロハンターである主人公が、獲物を狩るときに使う両刀を抜いたときの効果音にそっくりだった。
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