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2週間前。
「姉さん!交通規制とれたって」
美好からの電話に和子は「もしかしてそこに麻矢も行くかもしれない」と答えてすぐに電話を切った。
まず、麻矢の母親に連絡を入れて説明をしてから次に光子へ連絡を入れた。
「この前までは行けなかったからきっと先にお墓参りに行ったんだろうね」
「うん、そうだよね。麻矢ちゃんも交通規制がなくなったことが分かったらすぐに行くだろうね。でも、どこで知るのかな?そういう情報。携帯持ってないのに、、、」
「ネットカフェとかで調べる?」
「麻矢ちゃん、そういうの苦手そう」
「う〜ん、確かに。ネットや動画とか全く見ないって言ってたもんね」
「行動力は誰よりもあるから、その場に行って聞いてそう、、、」
「、、、それが一番しっくりくる」
互いに色々と推察していたら、この場で話しをしている場合ではないような不安を覚えた。
「和子ちゃん、わたし行ってみるよ」
「え!?、、、いいの?光子ちゃん」
「うん、大丈夫。ここであれこれ考えてるの、わたしが限界かも。仕事はきっとなんとかなると思う。あっちに着いたらまた連絡するね」
少し涙声の和子が「ありがとう、お願い、光子ちゃん」と、自分のもどかしい状態を引き受けて向かう光子に繰り返し礼を言って頼んだ。
光子は電話を切り終えるとすぐさま上司と同僚に理由を話し、2日で今抱えている仕事をやり切って準備を整えた。
徹夜明けはさすがに体にこたえたが新幹線で寝て行けばいいと、シートをゆっくりと倒して目をつむるとあっという間に夢の中に潜っていった。
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