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「あっ、そうだ。これ、少しですが。」 土方は、袋の中を開けて驚愕した。 少しなんて額じゃない。これだけあれば、数年働かずに生活できる。 「このことは誰にも言うんじゃねぇ。」 こんな大金持ち出せるくらいだ。絡まれたり、狙われたりするわけだな。 勝手に、公家の娘だと思い込んでいる土方は、先ほどのいざこざもこの金が原因だと思い込んだようだ。 「これは受け取れねぇ。お前が持っとけ。ただし、人には見せるな。」 これ、もしかして、相当な大金なの? 江戸時代の常識が分からない。 葵はそれ以降も、ことあるごとに土方を驚愕させ、土方は公家の娘だから常識がないのだと呆れながら、世話を焼いてくれるのだった。
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