宗次郎

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「それじゃあ、行ってくる。」 試衛館に行くと決意した翌日、葵はさっそく行動に出た。 土方にばれないよう、一定の距離を空けながら後を追う。 勘のよい土方のことだ。少しの油断が命取りになるだろう。 あれ?いない。 人の多い、繁華街を抜けた所で、土方を見失った。 周りはのどかな田舎道。 道行く人に、試衛館について尋ねてみるが、あまり有名ではないのか。 皆、知らないと首を振る。 困ったな。明日、もう一度来ようかな。 引き返そうと考えていた時、少し先に、町を見渡せそうな大きな木がはえていることに気付いた。 あそこの上からなら、試衛館が見えるかも。頑張ればきっと登れるはず。
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