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別れ
「ここが、あの有名な松下村塾か。」
高杉晋作や久坂玄瑞、内閣総理大臣となった伊藤博文など多くの志士を輩出した松下村塾。
「これから頑張らないと。」
葵はここ数日の出来事を思い返していた。
あの後、すぐに神社に行った。幕末に来て2年が経つがここは何も変わっていない。
お社の横にある、3つの石もあの時のままだ。
「会いに来ました。」
葵がそう口にすると、突如周りが光だし、気づくとあの白い空間にいた。
「大変でしたね。」
「うん。でも、兄上を助けられてよかった。」
本当によかった。兄上が死ぬなんて、考えたくない。
「これから、どうするのですか。」
「一先ず、吉田松陰に会いに行こうと思ってる。」
今までも何度か考えていた。沖田さんの病気だけでなく、新撰組の皆も救いたい。幕府が倒れること事態が止められないとしても、旧幕府側と新政府側が戦わない方法が何かなかったのだろうか。
長州は、幕府に対して恨みを抱いている。その原因の一つである吉田松陰の死を回避することが出来れば、もっと平和的に明治の世を迎えることが出来たのではないか。
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