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うーん、朝?早く、朝餉の準備をしないと。
人の起き出す気配を感じ、葵は目を覚ました。
「あっ。そうか…。」
ここは土方家じゃないんだ。
もう土方の妹ではない。葵が生きてることは、誰にも知られてはいけないのだ。
昨日の出来事を思いだし、一瞬暗い気持ちになる。
「しっかりしろ。落ち込んでる暇なんてない。」
両手で頬を叩き自分に渇を入れると、おもむろに立ち上がり、急いで身支度を整えた。
今日も男の格好をして歩こう。
万一、兄上に見つかったら大変だ。
先ずは何処に行こうかな。
途中で笠を買い、顔を隠しながら、江戸の町にくり出した。
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