背乗り(はいのり)

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冴えない人生・・・・それが俺の人生だった。  23にして、既に俺は生きることに疲れていたんだ。  顔がいいわけでもない、というか寧ろ不細工だ、  低身長、短い手足、だらしなく太った体、服のセンスもない。  その上口下手で、人見知り。  極めつけに、金がない。 ――天は二物を与えず なんて言葉があるけど、与えられるどころか俺にはマイナス要素しかない。なぜ俺はこんなにも苦行のような人生なんだろう。  小学校まではまだよかった・・・気がする。  とりわけ目立つわけでもなかったが、虐められたりもしなかった。しかし、中学生になるやいなや、俺は複数の同級生から嫌がらせを受ける様になった。  日々繰り返される暴力。制服は入学して1か月で既にボロボロだった。本当は学校になんて行きたくなかった。けど、学校を休むにも勇気がいるのだ。  結局俺は、3年間奴らのいいように使われるだけ使われて過ごした。  高校ではそういった虐めはなかったものの、友達もできなかった。これまで散々虐められたせいで人と関わることが怖くなった俺にも原因はあったと思う。  大学へは行かなかった。  これ以上集団の中身自分を置くのが嫌だったからだ。  両親は、「高卒なんて、ろくな仕事につけない」と俺を責めた。  家族なんていう肩書は本当に名ばかりで、同じ家に住んでいながら俺がこれまでどんな目に合ってきたか何も知らないくせに。  大体、両親が不細工だから俺も不細工なんだ。  醜く太った母親を見て、苛立ちが増した。  出世に無縁な自分自身を棚に上げ、いい仕事などと平気で言う父親を見て吐き気がした。  世の中にはDNAというものがあって、駄目な両親からは駄目な子供しか生まれないんだ。それをまるでわかっていない。  高校を出て一度は就職したものの職場での折り合いは悪く、結局3か月でやめて今はフリーターだ。  深夜の警備員。  仕事仲間が還暦を超えた爺さん連中が多かったのは意外だった。深夜の警備なんて昼夜逆転生活になるし、雨風にもさらされ、夏は暑く、冬は寒い。結構過酷な仕事なんだ。 まぁ、俺の場合は人と関わらなくて済むという最高の利点があるから、別に問題ないんだけど。
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