番外編① 島田くんは困っている

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そもそも、永斗さんの最も大切な人である彼女⋯⋯真島来美も少し変わっている。 それは、小柄でおかっぱな上に、座敷童子のような風貌も気になるところだが、 問題はそれではなく。 能面やらポーカーフェイスやら、おまけにスパイだどうのこうの言われる私と、怖がる様子もなく普通に話すことが一番変わっている 今までの、永斗さんにまとわりつく女性たちは、冷ややかな私の口調にたいそう気を悪くし、毛嫌いしていたようだが、彼女はそんな様子を見せない。 というのも、彼女自身もニコニコ愛想のいいタイプではないためかもしれないが。 私からすれば、悪い気はしない。自信はないようだが、媚びないのは評価できる。 そして、一番気なるのは、これだけ裕福な御曹司のもとに嫁いだというのに、未だに私にすら気を遣う。 ここに来ることがあっても「座っていてください」の一言で、今日までお茶のひとつも淹れさせてもらえなかった。 ハウスキーパーすら必要最低限とし、(料理は苦手なようだ)永斗さんに物をねだる様子もなく、あまり華美な生活好まない。 本当に変わった女性だ。 だから、突然永斗さんから彼女のことで無理難題をぶつけられようとも、「仕方ない」と思えるようになってきたのかもしれない。
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