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真顔で見ていたらその想いは伝わったようで、形の良い唇から呆れた息が漏れる。
「⋯⋯僕にとって大切なのは彼女だ。そんな彼女を頼めるのは、信用のおける君くらいなんだよ」
“お願い”と言ったキラキラした子犬の潤ませたような瞳。
出たな。
締結を控えてるというのに、本気なわけか。
彼は私の方がうわてだと言うが、表情に出さなだけで葛藤していることを知らない。
こうなると、頑固な会長に似ている彼は、押し通すところがある。
どうせ無理矢理のまされるくらいなら、早いうちに了承してやるか。
「承知しました。代役を手配します」
「ありがとう、頼りにしてるよ、島田」
「――――」
頼りにしてるというのであれば、会食に同行させてほしいものだ。
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