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2,ユイカ、部活動を行う。 71
で……、少しの時間が流れたけど。リューコは話さなかった。
俺は、さすがに痺れを切らしてしまった。
「……早く話せよ」
「待ってよ、どう話そうかって、考えてるんだよ」
リューコは少し面倒くさそうに言った。俺に話すだけで、そんなに頭を使うか? 「別に……俺は全部が全部、吹聴なんかしないぜ? そうだな……イッパンジンの俺から見たら、超常現象としか考えようがないだろう」
「まあ、それもそうか。分かった」
リューコは心に決めたようだ。
よし来い。俺は、何となく成り行きで構えた。
「別にいいよ。そこまで身構えなくても」
リューコは面白くなさそうに言った。
しばらくの間があって────
「この学校って、どういう処に建っているか知ってる?」
リューコが声を発した。と思ったら、いきなりの変化球だった。
私立玉之宮高校。小高い山の上に校舎や体育館が群立している。登校する時には、長い坂がグニャグニャとうねってちょっとした山登りだ。
俺は、入学式の時や最初のホームルームの時を思い出しながら答えた。
「確か……、戦国時代にはこの学校って城跡だったんだろ」
当たり。リューコは面白くなさそうに言った。「そうね。で更に古代まで遡ったら、古墳だったところ」
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