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2,ユイカ、部活動を行う。 67
え……? 俺は一瞬言葉が継げなかった。
俺が〝理由〟?
「……それって、どういう事だよ」
俺は、いつのまにか立ち上がりかけていたのも、気付いていなかった。思ってもみなかった事を言われたからだ。見かねてリューコが言った。
「気持ちは分かるがな、まあ座れ。レイザも、そこで口を出さない。説明が飛躍し過ぎて、却って難しくなってしまう」
俺は、レイザの説明が聞きたくなっていた。どんな難しい事を言うんだろうか。でも彼女は口を噤んだままだった。
ちょっと、面白くない。そこまで難しい話なんだろうか。
「ユイカみたいに、ユキと呼んでいいかい?」
いいよ。俺は頷いた。別に怒る気も無かった。
で……、「だから、どういう事なんだ」俺は言った。
「トクイテンって知ってるか?」
「ユイカもそれ言ってたけど……何だそれ」
俺達が迷い込んだというのか、あの砂漠の中に巨大なサソリがいた〝閉じた空間〟。サソリを倒そうとして、ユイカ達が戦ったというか、隠れてたというか……。
その時、ユイカが言っていた。
〝私ってね、「トクイテン」ってスゴい能力持ってんだって!〟
あの時、咄嗟に俺の頭の中で、〝特異点〟と翻訳していた。
特異点。何だそれ。
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