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2,ユイカ、部活動を行う。 66
「……リューコ!」
俺は思わず、声を荒らげてしまった。
パシッ! リューコは、これも器用に袋の紐を掴んだ。「すまない。──お前って、意外と真面目なんだな。こんな何もない街、そんなにしてたら疲れるぞ? もうちょっと気楽に……」
真面目な話じゃなかったのか? 俺は思った。
「話があるんだろ? 折角こっちは居残って、教室に来いって言っていたから来たのに……!」
まあいいか。じゃあ真面目モードに入ろうか。そう言って、リューコは椅子に横向きで座った。俺も彼女と向かい合うように椅子にあ座った。レイザはというと、俺達の近くで立ったまんまだった。さすがに、俺は言った。
「レイザも座れよ。そこにいても疲れるだけだろ」
「大丈夫だ。ワタシに気にせず、リューコと話したらいい」即答だった。コイツも真面目なのか、機械だからなのか……。
「いや、却って俺が気にするんだ。いいから座れよ」
そうか。そう言ってレイザも席に付く。
リューコは、少し考えて言葉を選ぶように、俺に言った。
「堅苦しくなく考えても……まあいいや。ああそうか、〝理由〟だったな。それはだな、ズバリ君だ。里村由樹君」
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