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2,ユイカ、部活動を行う。 69
「まあ、フツーそう言うわね」
リューコはそう返した。そう言って少し髪を掻きむしっていたが、じゃあさ、と言って彼女は切り出した。
「〝閉じた空間〟を〝本来起こり得ない事象や現象〟に当てはめてみれば、どうかな?」
あ、なるほどな。俺は思った。
「〝閉じた空間〟を特異点だって、言いたいのか?」
「惜しい! ちょっと違うんだな、これが」
「何だよそれ!」思わず、俺は口にした。ますます分からない。
「もう少し、分かるように言ってくれよ」
リューコは、少し考えていたが、
「──本来起り得ない事象や現象……その後は?」
俺は再びスマホを見て、再度口にした。「……起こしている存在に用いられる……? あっ!」そういう事か? 俺の頭の中で閃めくモノがあった。
「俺が、あの閉じた空間を呼び寄せた〝理由〟って事なのか? まさか、そんな事が……信じられない……」
ウソかマコトか。俺にそんな事が……? そんな、馬鹿な。
「嘘だ。俺なんかに、そんな事あるワケないじゃないか。俺って……こんなクソ田舎なんかに、そんな大それた事やれるワケないだろう……」
俺は、マジで動揺していた。フツーの男子高校生なんかにそんな事……
んっ?
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