プロローグ ユイカ、ユキと出会う。 02

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プロローグ ユイカ、ユキと出会う。 02

 どうしたの?   女のコの声。俺を呼んでいるのに気付くのが、少し時間がかかった。  その瞳はまるで仔猫のように、クリクリッとトパーズ色の光がきらめいて見える。万華鏡のように、瞳の中の光が、鮮やかな色とりどりの色彩を見せていた。  誰だ? こいつ。こんな女のコ知り合いにいたか?  俺は、鞄の中身を慌てて探していて、校庭のど真ん中でついしゃがんで鞄をひっくり返していた。  目の前には、俺の鞄の中身がぶち撒けられている。  だから、気付かなかった。  俺の頭上に、あの女のコが覗き込んでいたんだ。  彼女の声を頭上に聞いて、思わず俺は見上げた。  見たこともない学生服。  俺がいる中学校のものとは、全く違う。 「誰だよ、お前」 「え──っ! 覚えてないのぉ!? 二週間前に逢ったじゃないの! あなたに好きだよってナンパされて──、ず──っと気になっていたのに! 」  は? ちょっと待て!  こんな奴は俺は知らんぞ!  キャハハハハハ…………ッ!  いきなり、その女のコが笑い出す。ここで俺は気付いた。 「おいっ! 俺はお前なんて会った事なんてないぞ!」  キャハハハ…………ッ! こいつまだ笑ってやがるよ。 「俺はお前に会った事なんか! ────あれ」  ニィッ! 分かった?  こいつ、知ってる! 俺、二週間前にこの女のコに会ったことあるぞ! あのコだ。
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