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プロローグ ユイカ、ユキと出会う。 03
🌸
二週間前って、確か俺がここを受験した時だった。
あの時、机の上に貼ってある受験番号を探していた時に、なかなか見つける事が出来なくて……やっと見つけたと思ったら、何故か俺が受ける受験番号に、その女のコがいたんだ。
あら、あなたって私の前? ほら! 14315でしょ。
……14315? あ、本当だ。じゃ君は14316?
そう! ありがとっ。
キレイで揃った歯を見せて、彼女は少し笑った。
俺の後ろの席に座る女の子が、自分の次の受験番号だったなんて……意外と俺、ラッキーかもしれない────。
結局その時から、俺は彼女とそれきりだった。
この高校に来て、俺はまたあのコに逢えるんだろうか……。変な期待を持って、俺はこの芦ノ宮高校に来た。それは否定しない。
でも、俺がここに来た一番の目的は、何と言ってもこの高校の合格発表を見に来た事だ。
それさえ終われば……こんな、クソ田舎…………っ!
いやいや、悪態を付くのは、もう今回で最後にしよう。もうこの高校しか入学出来ないのだ。あれくらいの試験、この俺にとっては造作も無い事……と思ったが、意外に難しかった。
正直言って、本当に合格しているのだろうか……?
「あなた、受かってんじゃん! 」
へ……?
俺は女のコが言った事が、半分以上理解出来ていなかった。
コイツハ何ヲ言ッテイルノカ? 誰ガ受カッテイルノカ?
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